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革新的事例
文化の横広げ戦略  京都←→ヨーロッパ
武智 美保

武智がプロデュースするミラノの芸術集団STUDIO AZZURRO(スタジオ・アッズーロ)のインスタレーション作品等を芸術科学会で紹介。海外アーティストを日本に紹介することはもちろん、日本人アーティストを世界へと発信するイベントも積極的に行っている。

 アート・プロデューサー
有限会社 ミホプロジェクト

 代 表
 武智 美保 (たけち みほ)

ヨーロッパの一流ブランドをも虜にする「京都流おもてなし」を世界へ伝える

ロレアル、シャネル、カルティエなど、ヨーロッパの超一流ブランドが行なう京都発のイベントを次々とプロデュース、京都文化が持つ「お客様をもてなす心」を最大限に活用したビジネスを創造し、内外から高い評価を得ている。
武智美保は、京都の室町で生まれ育った。実家は、西陣織のネクタイ製造などの繊維関係の仕事をしていたが、アートの世界に大きな興味を持った武智は、 大学卒業後、スイス、チューリッヒのアート・アカデミーに留学する。ここで彼女は、文化人のサロン的な雰囲気や文化の支援活動にふれ、また、アートが ビジネスになる現場も体験するにいたる。その後、ドイツやイタリアで、アートや文化に関わるさまざまな経験を積む一方、京都の伝統文化のもつ素晴らしさ にも目覚めてゆく。このような内外の豊富な経験をベースにして、武智は京都を舞台にしたアートプロデュースの仕事を始めた。

武智は、室町で育ったこともあり、 京都のもてなしの仕方には小さい頃から慣れ親しんできた。よく祖父が家でお茶会を開いており、これを経験をもって記憶しているという。彼女はもてなしのためには、 季節によりどのようなしつらえをすれば良いかがわかるし、京都育ちであるため「そのような世界に自然に入ってゆける」ともいう。そして、 このような京都の内側で隠れてやっていた楽しみや遊びを、「もてなし」として外に向かってやれば面白いことができるのではないかと感じ始めた。

武智が最近プロデュースした仕事に、「和の色ルージュ」発表会がある。これは、フランスのシャネルが、ルージュの日本限定色を雑誌の編集者などに披露するために 開いたイベントで、内外から100人以上の関係者が京都に集まった。一連のイベントは、日本の「赤」をテーマに展開され、ルージュの展示会だけでなく、 京都の町屋のなかでの講演会、加えて、日本最古の公家住宅である冷泉家のなかで赤を基調にしたしつらえを作り、冷泉家による「和歌の中の赤」に関する 講演などを、武智は企画した。また、京都を代表する料亭、瓢亭でのお茶会も開かれた。
このような「もてなし」を、京都人は、自分からは積極的に外に向かって 広げようとしてこなったことを、武智は指摘する。京都人独特の「京都には本当にいいものがあるが、これは京都で京都人が楽しめばいい」といった感覚である。 このため、京都の文化を生かした仕事の依頼が、京都自身からは出てこない状態にあるという。
これは、京都にとっては大きな損失であろう。 「もてなし」を有効に使った、京都文化の海外への「横広げ」は、京都の活性化にとどまらず、京都の国際社会での存在感、引いては日本のソフトパワーにも直結してくる。 新たな芽が、一人のアートプロデューサーの活躍から出てきたことは、京都の文化力を国際社会に向かって「横広げ」する意味から、注目に値すると出来事といえよう。

数年前から京都錦市場とイタリアのフィレンツェ中央市場との文化交流に力を注ぎ、2006年には両市場の姉妹提携をプロデュースする。東西の食文化に重要な役割を持つ「台所」同士をつなぐことで新たな食文化創出のキッカケ作りをねらう。

yu-anと呼ばれる武智のオフィス兼サロン。武智が亭主を務めるこの京町家は、新進気鋭のアーティストや文化人が集い新たな京文化について話し合う隠れ家的存在。
<武智プロデュースのイベント>


2003年
ロレアル「色と科学の芸術賞」京都造形芸術大学



2004年
シャネル「和の色ルージュ発表会」同志社寒梅館


2004年
カルティエ「エットレ・ソットサス展」醍醐寺

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