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革新的事例
文化とテクノロジー  CG友禅
川邊 祐之亮

手描友禅染とは、糸目でくくられた文様の中を刷毛を使って色を挿し、全長三丈(約12m)のちりめん等の絹織物を染め上げる染色技法のことをいう。元禄時代に京都で確立され、その後、主にきものを染めるために用いられてきた。

 京友禅 
有限会社 ジャパンスタイルシステム

 代表取締役
 川邊 祐之亮 (かわべ ゆうのすけ)

生まれた時からウチにあった京友禅を先端テクノロジーに合わせると見えた新しい価値

手描友禅文様をCG(コンピューターグラフィックス)で作れば友禅文様はキモノから解放 され新たな時を刻んでいくことができる。この着想の確かさは04年アテネオリンピックの シンクロ水着をはじめ、様々な領域で実証されはじめている。
川邊祐之亮は、手描友禅染の工房に生まれた。ところが、モントリオール・オリンピックのポスターに魅せられたことがきっかけで、グラフィックデザインの世界にのめり込んでゆく。 川邊はこの道に進むために広告会社に職を求め、本格的に仕事を始めた。その後、彼は家業を手伝うために一旦家に戻るが、伝統産業とは異なる、外の華やかな世界を垣間見たこともあり、 既存の友禅染には飽き足らなくなっていた。そこで新たな展開を図るために試行錯誤を繰り返し、その末にたどり着いたのが、川邊家に伝わる伝統的な友禅の絵柄と、 当時、急速に普及しつつあったコンピュータ技術を融合させる、という着想だった。そして、川邊は友禅染の製造工程を「因数分解」することにより、 これをコンピュータ上で再構成して新たな製品を生み出す手法を編み出した。CG友禅の誕生である。

川邊は友禅をテクノロジーという新たな舞台の上に乗せ、その可能性を、水着、インテリア、装丁などの様々な分野へと広げつつある。川邊は彼自身が手描友禅の技もマスターしているため、 CG友禅を進めるにあたって伝統的な友禅の技をそこに入れ込むことができる。良い作品に仕上げるポイントの一つは配色にあり、色の組合せや深みなど、良い友禅色を作り出す方法は各工房により異なり、 これが友禅の「隠し味」になって、「なんかええなあ」という友禅独特の味が出せるという。

これは、いわば友禅工房がもつ「くせ」であり、外の人が真似ようとしても真似られるものではない。 したがって、川邊の作品は、家に代々伝わり自身が持つにいたった暗黙知を、絵筆ではなく、パソコンとCGという新たな道具を使って表現したものといえる。このため、見る人が見れば、 川邊祐之亮が生み出すCG友禅と、祐之亮の父、川邊善司が作る手描友禅の着物との間には、拭い去ることのできない共通点を見出すことができる。ここには、「伝統文化の芯」の継承と、 新たなビジネスの革新が、見事な形で結実している。
京都は、伝統産業と最先端のハイテク産業が同居する稀有の都市である。一方では、西陣織、友禅染、清水焼、京人形などの古い京都があり、 もう一方には、京セラ、オムロン、ローム、任天堂のような、最先端を走るテクノロジー企業が形作る新しい京都がある。21世紀の世界を展望すると、日本の強みや存在感は、 文化とテクノロジーという二つの領域に集約できるだろう。そして、この両者が融合したところには、計り知れない日本の潜在力が横たわっている。友禅の血を受け継ぐ川邊から、 パイオニア的な融合が生み出されたことは、伝統文化とテクノロジーの融合をもたらすエネルギーが、京都の底には潜んでいることを物語っている。


2004年アテネ五輪日本シンクロ代表の水着デザインを担当。デザインのモティーフは歌舞伎。五輪代表はチーム、デュエットともに銀メダルを獲得した。



父善司作の京手描友禅染訪問着。キャリア50年を超える父の技にはまだまだ及ばないが、紛れもなく息子祐之亮には「伝統文化の芯」が受け継がれている。



2000年12月31日、京都市21世紀幕開け事業「路灯祭」で高さ3mの巨大行灯をデザインする。御池通に合計250基が建て並べられた姿は圧巻だった。



友禅工房内にグラフィックデザインスタジオを開設しCGによる新しい友禅柄の制作に取り組む川邊。 CGでつくる友禅も手描友禅も一長一短がありどちらも完璧なテキスタイルとはいえないという。川邊はこの両方を因数分解して組み立て直し、長所を組み合わせることで、友禅が新しい時代に進むと信じる。

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