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修了生インタビュー vol.6

トップとしての問題意識を、ソリューションレポートとして昇華

1. これまでのご経歴とMBAを取得しようと思ったきっかけを教えてください。

kinoshita01r 株式会社エクザム 代表取締役社長 木下由佳さん
入学:2015年4月、修了:2018年3月

私は現在、株式会社エクザムの代表取締役社長を務めています。当社はWebインテグレーターとして、ウェブサイトの制作やウェブアプリケーションの開発、そしてデジタルマーケティング全般を手がけています。“日本のインターネット元年”と呼ばれる1995年から業界に参入し、順調に業績を伸ばしてきましたが、前社長からバトンタッチを受けて2013年に社長に就任してからは、求められる能力がそれまでとは大きく異なり、人知れず悩む日々が続きました。そんな時に目にしたのが1通のメールです。同志社ビジネススクール(DBS)と京都産業21の共同企画である「成長のための経営戦略講座(全10回)」の案内でした。実際に受講してみるとあまりにもおもしろくかつ刺激的で、すぐに正式に入学したいと考え始めました。実際に願書を出すまでには、経営者と大学院生という二足の草鞋を履くことができるかという迷いがありましたが、一念発起の上、入学を決意したのです。仕事との両立を考慮し、標準修業年限の2年ではなく、3年間をかけて修了することを選び、カリキュラムを組み立てていきました。

2. 数あるビジネススクールの中からDBSを選んだ動機を教えてください。

同志社女子中高から同志社大学へと進学した私にとって、DBSを志願することはとても自然なことでした。同志社大学は「精神なき専門家」(マックス・ウェーバー)や、「良心なき逸材」を生むつもりは無いと断言しています。校祖・新島襄が同志社大学設立の旨意として「一国の良心」を育成したいと謳ったからです。この考えは現在に至るまで脈々と受け継がれており、入学式の際に神学部長が述べられた「良心に従って進むように」という言葉に感銘を受けました。
入学して最初の講義「経営戦略」で先生からお聴きした言葉が「高潔であれ」でした。「良心に従って進む」こととほぼ同意だと理解していますが、人間として経営者として「良心」を忘れずに「高潔」でありたいと願い、常にこの言葉を心の中心に置いています。このような精神性を持った同志社で学べたことは私にとってとても幸せなことでした。

3. DBSではどんな学びを得ましたか?

kinoshita03l 教室にて

学生には履修指導の先生が付いてくださり、学生のバックグラウンドを考慮の上、マンツーマンで助言してくださいます。私は経営者として必要だと思われるゼネラルマネジメントの領域、つまり「経営戦略」「組織マネジメント」「人的資源管理」「リーダーシップ」などを重点的に履修するつもりでしたが、先生のご助言に従って、文科系の人間が躊躇しがちな経済学や統計学も履修計画に入れていきました。これにより知識の間口がグンと広がったことを実感しましたし、他の科目の理解が深まっていくことにも驚きました。
入学1年目から2年目へと履修済みの科目が増えるにつれて自分の中で“知識の骨組み”が出来上がっていく感覚がありました。 “学び続けるための土台”と言ってもいいかもしれません。土台ができているので、新しく知識が入ってきたときに、自分の引き出しの中のどこに分類すればいいのか、既存の知識のどこにつなげればいいのかが明快なのです。入学前に手当たり次第にビジネス書を読んでいたときには決して得られなかった感覚でした。この知識の土台を得たことが、DBSに入学して得た大きな収穫でありました。

4. ソリューションレポートについて教えてください。

1~2年目は科目履修に邁進した結果、入学3年目はソリューションレポート(SR)だけに集中することができました。SRとは実務経験から生まれた問題意識を研究動機とし、文献レビューや統計的分析、インタビュー調査などを経て、最終的に実践的インプリケーション(問題分析結果)を提示するものです。他大学院の修士論文に相当するもので、SRに合格することがDBSの修了要件でもあります。
私が入学前から抱いていた問題意識は、「我が社はいったい何者なのか」「我が社の存在理由は何なのか」「どのような価値を社会にもたらすことができるのか」という根源的な問いでした。これらを基にして、ゼミの藤原浩一先生にご指導いただきながら問題意識を更に絞り込んでいきました。
当社はWebの世界に多数のコンテンツを送り出すことを業務としていますが、情報空間におけるWebコンテンツの持つ役割と責務を、Webの世界で強大な力を持つGoogle社との関係性から紐解き、その本質を解明するべく論を進めました。そして情報空間の中のウェルフェアの追求へと導き、これこそがWebインテグレーション事業における競争戦略であると結論づけました。修了後2年半ほど経ちますが今でもSRは、「我が社の存在理由は何なのか」という根源的な問いの答えを確認するために立ち返るべき“場所”であると思っています。

5. DBS への出願を検討されている方へ

kinoshita05r 修了式の後の記念撮影

大学を卒業して社会に出た後にも再び学びの機会があること、そしてそれは何歳からでも遅くはないことをお伝えしたいと思います。 自分の人生は自らの決断と努力で切り拓き、創っていくものであると実感していますし、これは年若い当社のスタッフにいつも伝えていることです。
フルタイムで仕事をしながらフルタイム学生となることは大変ではありますが、働きながら学ぶ魅力もたくさんあります。会社の課題を先生や友人たちと議論し、検討することができますし、授業で習った理論を会社に持ち帰って実践に落とし込むこともできます。理論と実践を行ったり来たりすることをリアルタイムに行えるのは社会人学生の利点だと思います。

DBSは人生を変える可能性がある場所です。経営者としてさらに成長するために、そして会社をもっと成長させるために、DBSで得た知識の土台を基に、これからも学び続けたいと思っています。

※本記事の内容、肩書き等は2020年9月当時のものです。