森 良弘
教授:森 良弘(もり よしひろ)
「日本は技術で勝ってビジネスで負けた」とよく言われますが、これは真実なのでしょうか。
私は企業の研究開発部門に約30年勤務し、技術開発・ビジネス両方の当事者として様々な成功と失敗を目の当たりにしてきました。その過程で上記の「技術で勝って・・・」とはどういうことなのかという疑問を抱き、経営学の一領域であるイノベーションマネジメントの分野に足を踏み入れました。そして得た結論は、「ビジネスで負けたということは結局のところ技術で負けたということなのだ」です。ある技術に価値があればその技術は社会で活用され結果としてビジネスとして成り立つはずであり、逆に言うとビジネスの成功をもたらさなかった技術は社会的な価値という面で他の技術に負けていたということになります。もちろんこれは一面的な見方であり、社会的価値以外にも技術の評価指標はありますし、実を結ぶまで何十年もの時間を要する技術もあるでしょう。しかしせっかくビジネスの中でイノベーション創出に取り組む以上は、その有限なタイムラインの中で社会に価値を提供できるようにしたいと思いませんか?
そのためには技術者の方もそうでない方もイノベーションマネジメントを体系的に学ぶことがとても有効であり、わずかでもそのお手伝いができればと思っています。
なおイノベーションは技術に限定されるものではなくビジネスモデル、サプライチェーン、マーケティング等も対象となります。技術者以外の方にも興味を持っていただけると嬉しく思います。
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担当科目
ビジネス専攻
- イノベーションマネジメント
- ビジネスモデルイノベーション
- オープンイノベーション
グローバル専攻
- Strategic Management for Innovation and Change
専門分野
- イノベーションマネジメント
履歴等
神戸大学大学院理学研究科化学専攻修士課程修了、博士(工学)(九州大学)、MBA(同志社大学)
新日本製鐵株式会社(現、日本製鉄株式会社)の半導体材料事業支援研究部門から、外資系半導体材料メーカー、株式会社堀場製作所を経て、株式会社堀場アドバンスドテクノにて執行役員として分析計測機器の技術開発マネジメントを担当。2022年より現職。
専門分野はイノベーションマネジメント。