研究科長からのメッセージ
ビジネス研究科長 森 良弘 教授
同志社大学は、新島襄が1875年に創立した同志社英学校を起源とします。開校時の学生数はわずか8人でしたが、新島が建学の精神とした「良心教育」に基づく人材育成が世の中に認められ、今では学生数28,000人を超える総合大学に成長しました。
その歩みの中で、2004年に同志社大学大学院ビジネス研究科(同志社ビジネススクール:DBS)が設置され、これまでに1,000人以上がMBAを取得しています。2023年には国際認証AMBAを取得し、世界標準の学びの体制を確立しました。
DBSのビジネス専攻は、社会人が働きながら平日夜と土曜に学ぶプログラムです。平日は京都に加え大阪でも多くの授業を開講するなど、仕事と両立しやすい環境整備を進めてきました。近年は学び直し意識の高まりとともに志願者が増加傾向にあり、学生の多様性も広がっています。企業・組織の規模や業種、専門領域の異なる実務家が同じ場で学び合い、それぞれの経験を持ち寄って意見を交わし、視野を広げています。
実は私自身もDBSの修了生(2015年度入学)で、ここでの学びの力を心から実感した一人です。企業技術者だった私は、経営学がどのような学問なのかも十分理解しないまま入学しました。しかし学びを重ねるうちに、問題を一段も二段も高い視座からとらえられるようになり、意思決定の質が変わっていくのを感じました。
経営判断は常に文脈に依存し、経営学を学んでも唯一の正解が得られるわけではありません。しかしその一方で、何か問題に直面した時に、正しい問いを立て、情報を分析し、解決案を構想し、組織として実行するという一連のプロセスにおける思考の軸が身につきます。生成AIの急速な進化により、教科書的な答えは瞬時に手に入る時代ですが、その答えが正しいのか、実行すべきなのかを判断するのは、あくまで人の役割です。DBSでは、その判断の拠り所を「良心」に置き、社会への責任と長期的な視点を重視した学びを大切にしています。
多忙な社会人が仕事と学業を両立させるのは決して容易なことではありません。しかし、働きながら学ぶからこそ、学びが日々の現場に応用され、理解が深まります。志を同じくする仲間たちと励まし合いながら、授業やゼミで議論を重ね、実務課題に向き合い、ソリューションレポートを紡ぐ経験は、利害を超えた信頼を育み、一生の友人を得ることにもつながっていくでしょう。そして、現役生・修了生のつながりと幅広い活躍は、私たちにとって最大の財産でもあります。
さいごに、DBSの先輩教員のことばをみなさんに贈りたいと思います。
「学びには人生を変える力がある」
みなさんの挑戦を心よりお待ちしています。