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山下 ゼミ
「面白い人」が集う

山下 貴子 教授
専門分野:マーケティング
アパレルメーカー、食品メーカーのマーケティング部に勤務後、神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程企業システム専攻修了、博士(商学)。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士後期課程単位取得退学、博士(学術)。流通科学大学商学部、同大学大学院流通科学研究科博士後期課程教授を経て現職。2005年、2023年ヴァージニア大学ダーデン・ビジネススクール客員研究員。
今回は、マーケティングをご専門とする山下貴子先生とゼミ生の三幣涼子さん、和田久美子さん、伊藤啓さん、本間健太郎さん(以下、姓で統一)に、山下ゼミでの学びの特徴や魅力について伺いました。
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今回、取材に応じてくださった山下先生とゼミ生の皆さん
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1. 山下ゼミには、現在どのようなご経歴を持つ方々が集まっているのでしょうか?

- 山下先生
- 本当に多彩な顔ぶれが揃っているのが、大きな特徴です。
- 伊藤さん
- 私は酒類販売業を主とする中小企業の経営者です。
- 三幣さん
- 私は建設業界で施工人財の育成に従事しています。
- 本間さん
- 私は大学病院で事務職員として働いています。
- 和田さん
- 私は通販専門の広告代理店を経営しています。
2. なぜ山下ゼミを選ばれたのでしょうか?

- 伊藤さん
- マーケティングが大好きで、必然的に山下ゼミを選びました。
- 和田さん
- 私はオフライン広告中心のビジネスを展開していたのですが、先生との面談でオフライン広告の未来に関して伺った際に「衰退するに決まっている」と断言されました。しかし、その上で、オフライン広告をオンラインとどう組み合わせていくかなど、様々な提案をいただき、先生の的確なアドバイスに惹かれて山下ゼミを選びました 。
3. 先生がゼミ生を選ぶ基準は、“面白い人”だと伺いました
- 山下先生
- はい。応募者数が定員をオーバーした場合は、希望理由書の記載に加え、経歴のユニークさや、面談での受け答えに独自性があるかどうかも考慮して選考します。優秀な人ばかりだと真面目なゼミになってしまうので、そこは注意しています。また、テーマがまだ漠然としている段階でゼミ生候補のみなさんと面談をするのですが、その中でもやりたいことの筋が一本通っている人を優先しています。
4. 研究内容は、やはりマーケティング関連が多いのでしょうか?

- 山下先生
- 純粋にマーケティングを勉強しようと思っている人ばかりではなく、マーケティングから少し離れたテーマで研究している人も多いです。たとえば、財務や企業再生、人的資源管理を研究している学生もいます。
- 和田さん
- センサリーマーケティング(消費者の五感に働きかけることで、商品やサービスへの知覚・評価・感情を喚起し、最終的に購買行動に影響を及ぼすことを目的としたマーケティング手法)をテーマに研究しています。具体的には、健康食品や化粧品のパッケージが消費者にどのような印象を与えているのかを調査しています。
- 伊藤さん
- 取引先240社を対象にアンケート調査を実施し、自社の競争優位性を数値的に可視化しました。この研究を、ビジネス・エコシステムの観点から、業者間の連携を強化する施策へと活かしています。
- 三幣さん
- 日本人職人の海外進出に着目し、インタビューを行い実態を掘り下げ、採用・育成戦略の見直しを推し進めています。
- 本間さん
- 大学病院の経営環境はますます厳しさを増しています。そこで、職員一人ひとりが経営的な意識を持つことが、改善につながるのではないかと考え、その可能性を研究テーマとしています。
5. 山下ゼミの“空気感”はどのようなものでしょうか?

- 山下先生
- 積極的に研究したい、勉強したいという方が集まっていると思います。マーケティングリサーチの授業の中で、あるチームが分析したところ、山下ゼミはアグレッシブな人が多いという結果が出ました。
- 伊藤さん
- ゼミでは千本ノックのように3週間に1回のペースで研究の発表があります。また、ざっくばらんに意見を交わせるゼミ後の食事会も恒例です。
- 山下先生
- 研究を始めるとその面白さに惹かれて博士課程へ進学する学生が少なくないのも、山下ゼミの大きな特徴です。優秀SR(2024年度からは主査推奨SR)に選ばれることも多く、さらに学会発表にも積極的に取り組み、そこで学会賞を獲得した学生もいます。
6. 指導教員である山下先生の魅力はどのような点にあるのでしょうか?

- 和田さん
- 質問へのレスポンスがとても早く、しかも的確な点です。また、先行研究のレビューも惜しみなく提供してくれます。山下先生は厳しさと優しさの両方を兼ね備えている先生です。鋭さを持ちながらも、授業を受けているだけでは気づけない温かみがあり、それはゼミに入って初めて実感できるものだと思います。
- 三幣さん
- 山下先生のハートフルな人柄に、みんなが自然と集まってきているのだと思います。
- 山下先生
- ゼミ生を指導する際には、私自身が学生から学ぶことを心掛けています。社会人の研究はとても面白く、私もその指導を通じて、共に学び、共に成長したいと感じています。
7. 山下ゼミでの学びを、今後のキャリアにどう繋げていきたいかお聞かせください
- 伊藤さん
- 将来、パートナー企業との協業体制を構築する際の理論的裏付けとして、自分の研究を活かしたいです。
- 三幣さん
- 私の会社ではMBAに通っている人はまだ少なく、だからこそ、外で学びを得ることで、今後、前例にとらわれない施策などを切り拓く糧にしたいと考えています。そういう意味で、私はパイオニアになりたいと思っています。
8. 最後に、未来のゼミ生に向けて一言お願いします
- 山下先生
- 今、皆さんが抱えているモヤモヤとした問題意識が、山下ゼミでの研究を通じてクリアになっていくことを期待しています。来年も、個性豊かで面白い方々に集まっていただいておりますので、ゼミをさらに楽しく刺激的な場にしていきたいと思っています(笑)。
- 学生記者
- 取材にご協力いただきありがとうございました。
- 一 同
- ありがとうございました。
※本記事の内容、肩書き等は2025年月7月時点のものです。
(取材 同志社学生新聞局)