修了生インタビュー vol.11
DBSでの学び直しが生んだ新たなビジネスチャンス
1. これまでの経歴を教えてください
私は1998年に大学を卒業しインテリアメーカーで約4年間、営業職を務めました。この時期、インターネットのブロードバンドサービスが急速に普及し、新しいビジネスやサービスが次々と登場、営業活動においても利用できるようになり、ITが企業の売上やサービス向上に貢献する力を持つことを強く実感しました。この経験からITに関わる仕事がしたいと考え、現職である日本システム技術株式会社に転職しました。入社後の14年間は、システムエンジニアとして大学向けのパッケージソフトウェアの導入や製品開発に従事しました。その後、営業企画職や管理職を経て2019年に事業部長、そして2022年には執行役員を拝命し、現在に至ります。
2. DBSを選んだ理由は何ですか?
理由は二つあります。一つ目は、カリキュラムの充実度です。私は事業責任者として事業の創出や経営判断を行う必要がありましたが、イノベーションやマネジメントに関してスキル不足を感じていました。その不足を補うことにつながる科目が充実していたことが決め手となりました。二つ目は、同志社大学の良心教育です。弊社は創業以来、社会貢献や誠実さを重視し、それを実現できる人材を育成することを企業理念としており、同志社大学の掲げる良心教育に共感しました。入学してからは実際に、先生方の発言や行動を通じてその理念を学ぶことができました。また、先輩や仲間の行動にも思いやりや良心を多く感じました。
3.DBSでの学びはどのように仕事に役立ちましたか?
DBSに入学する前は、顧客への提案や事業計画立案の際に自身の経験を元にすることが多かったのですが、DBSで経営に関する科目を体系的に学んでからは、自身の判断に論理性や根拠を持たせることができるようになりました。また、ソリューションレポートを「高等教育機関におけるDX推進度測定指標の開発」というテーマで執筆したのですが、これを通じて自社の顧客である高等教育機関(大学)のデジタルトランスフォーメーションの現状や課題を把握することができ、その結果を実際の製品開発やサービス提供に役立てられています。
4.DBSの仲間たちからどのような刺激をうけましたか?
DBSは、長い歴史と特徴的な文化を有する京都という地にあり、独自に発展を遂げた世界的な大企業や、京都ならではの特色を持った企業で働く仲間たちと出会うことができました。仲間との交流は、私の知らない知見や経験を共有する非常に刺激的なものでした。また、DBSではグループワークも多くありましたが、ただ単にその課題に取り組むのみならず自身の悩みも素直に話すことで、様々な意見や励ましをいただける貴重な時間となりました。
5.今後どのようなことに取り組みたいと考えていますか?
大学と卒業生をつなぐアルムナイ(卒業生)事業を立ち上げたいと考えています。大学業界は少子化の影響で入学者が減少しており、経営が厳しくなりつつあります。一方で、平均寿命の延びやIT技術の急速な発展に対応するため、社会人の学び直しが社会からも企業からも要求されています。私自身もDBSで2年間の学び直しを経験し、さらに修了後の同窓会幹事を務める中で、大学と同窓会の関係性や大学卒業後の学びについて解決すべき課題を多々感じるようになりました。そこで卒業生を大学や同級生とつなぎ、学び直しに向けたコミュニケーションの場を提供する「学びのSNS」を事業化しました。このサービスを通して、学校を離れて以降学びから遠ざかっている人たちに学びのきっかけを提供できると考えています。それが、その人たちの人生をさらに豊かにする手助けになればと思っています。
※本記事の内容、肩書き等は2024年8月時点のものです。
(取材 同志社学生新聞局)