修了生インタビュー vol.21
実務と学びを融合させた地方経済の発展への貢献
1. これまでの経歴について教えてください

入学:2009年4月 修了:2012年3月
1996年に大学を卒業後、東京の大手小売業に就職し、2007年に地方自治体に転職。
主に経済産業部門の業務に従事し、2022年から2年間外郭団体の経営再建を経験、現在は商業振興課長を務めています。
2. DBSに入学したきっかけは何ですか
私は前職で主にバイヤー等として仕入れを担当していたため、マーケティングの実務経験は豊富でしたが、体系的な知識が不足していると感じていました。また、大学同窓会の経営者リレー講座を受講して感銘を受けたことや、同期入社の友人がMBA取得のため退職して渡米したことなどから、いつか私も経営学を勉強したいと考えていました。こうした中、DBSではマーケティングや経済産業行政などの実務経験が豊富な教員が多数在籍されていたため、私が地方自治体に転職したことを契機に、入学することを決意しました。
3. DBSで学んだ内容について教えてください

DBSでは、マーケティングやファイナンス、経営戦略など、経営全般について幅広く学びました。その中でも特に役立ったのは、マーケティング等で学んだフレームワークです。
具体的には、業務上の課題整理や新しい施策を立案する際にフレームワークを使うことで、全体像を抜け漏れなく把握することが可能になりました。また、整理した内容を報告書やプレゼンテーションで説明する際も、フレームワークを活用することで、わかりやすく伝えられるようになりました。
さらに、ソリューションレポート(SR)の執筆を通じて学んだ、物事を体系立てて調査研究し、報告書にまとめるスキルも大変役立ちました。例えば、大学や企業における産学連携の実態を調査した際には、DBSで学んだSRの作成プロセスをベースに進めました。1年間で3本もの調査報告書を執筆できたのは、SRからの学びが土台にあったからです。
4. DBSのシニアアシスタント制度の魅力について教えてください
DBS修了生は、「シニアアシスタント」として、修了後もDBSの講義に参加することができます。私は2012年にDBSを修了しましたが、10年以上この制度を利用しています。この制度の最大の魅力は、業務上の課題に直面した際、必要な知識をその都度学び直し、それをすぐに実務に活かせることです。公務員は概ね3年ごとに人事異動して全く異なる業務を担当しますが、それぞれの業務で求められる知識や能力は全く違います。例えば外郭団体の総務部長として経営再建に取り組んだ際には、財務に関しては在学中に学んだファイナンスの知識で対応できましたが、人事や組織運営に関しては全く未経験でした。そんなときも、人的資源管理や組織マネジメント、組織変革に関する講義にシニアアシスタントとして参加することで、実務に必要な知識を補い、実務に対応できるようになりました。
5. 今後の展望
地方公務員として、新産業を創出するなど、地域経済の発展に取り組みたいと考えています。同時に、そうした取り組みを担える人材を育成していくことも重要だと思っています。そうすることで、自分だけでなく、周囲の人々や組織、さらには地域全体が発展し、関わるすべての人が幸せを感じられる未来を目指したいと思います。そのためにもシニアアシスタント制度などを活用しながら、学び直しを続けていきたいです。
※本記事の内容、肩書き等は2025年1月時点のものです。
(取材 同志社学生新聞局)